人は誰でも、老いるに従い多かれ少なかれ、認知機能は衰えていくものです。

それは、生きたあかつきに訪れる死への準備として、不必要なものを置き去ってゆく、断捨離現象に通じるものだと考えられます。

しかし、生きる上で強力な目的や目標を持つ人のなかには、認知機能の衰えを防いだリ、初期の認知症状を克服する人さえいるのです。国が力を入れる、予防や認知力能低下の進行を遅らせる努力には、大いに賛同いたしますが改善には至っておりません。

たとえ、認知症であっても、サポートを受けながら日々の生活を維持することができていれば、周囲との人間関係で混乱や問題はそれほど起きることはありません。

しかし、近年では、いわゆる「BPSD」によって引き起こされる周囲とのトラブル、家庭崩壊、介護殺人などの悲劇が実際に起きています。これらに対する解決策は、有効な手が打たれないままに、精神病院や認知症専門医の手に委ねられ、その治療の多くは、薬のコントロールのみといわれています。やがて活力は失われ、早晩死に追いやられるのが実情です。

この現実を受けて、当協会はBPSDに対して「薬に頼ることのない改善」で、大きな効果を挙げている療法の専門家達と、それをサポートする人達が集まり結成されました。

一般社団法人日本認知症改革推進協会

理事長 野口哲英